シン・とある派遣生の中国探訪記〜ハケタン〜

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【中国の車事情】脅威の技術!NIOの”バッテリー交換サービス”とは?

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みなさんこんにちは! 大家好! "ハケタン”へようこそ!

今回は中国BEVメーカーの一角を占めるNIOが提供するバッテリー交換サービスについてご紹介いたします。世界中を見渡しても数少ない「バッテリー交換サービス」とはどのようなものなのでしょうか。

充電についての基礎知識

一般に、電動車の充電方法は大きく3つに分けられます。 ①外部給電:AC/DCスタンドや給電専用車による充電 ②内部給電:ブレーキ回生やソーラーパネルなど車両側で生成したエネルギーによる充電 ③本体交換:車載バッテリーそのものを丸ごと交換 ①・②は各社凌ぎを削って取り組んでいる一方、③のサービスに取り組んでいる第一人者がNIOになります。一体、どのようなサービスなのでしょうか?

NIOは3つの充電サービスを提案!

本題に入る前にNIOの自社サービスをご紹介。NIOは下図の3つの充電方法を提案しています。今回は割愛しますが、バッテリー交換サービス以外の残り2つのサービスも進んでいます。例えば左のPower Chargerでは最大500kWのDC充電を実現しており充電時間の短縮を実現。日本の一般的なDC充電スタンドは150kW充電ですので如何に高出力な充電を実現しているかが伺えます。

↓(左)Charger(中)Swap(右)Mobile

バッテリー交換ステーションを見てみよう

実際のバッテリー交換ステーションがこちら。実に1,400以上の特許技術を取得しているそう。建屋内の黄色線枠内に駐車し1台ずつバッテリー交換を行います。早速このサービスの見所をご紹介していきます。nio

↓見所①:バッテリー交換ステーションへの入庫は自動運転で実施可能。白線枠内に駐車すればあとは自動で入庫してくれます。枠線の中に止めるだけですのでバック駐車が苦手なユーザーからも好評だとか。ただし、道路の矢印表示と反対向きに止めると自動駐車が作動しないので要注意。

↓見所②:駐車位置の自動修正。入庫した際に駐車位置が多少ずれていても左右から出てくるパッドで自動調整。ホイールが傷つきそうですが、クッション入りで傷つかないようになっていると思われます。

↓見所③:バッテリー交換オペレーション。駐車と車両位置合わせが完了すると床下が自動で開きバッテリー交換が開始されます。↓バッテリー交換のたびに使用されるネジもバネの入った特殊な構造をしています(真偽は定かでありませんが、このネジにも20個以上の特許が入っているとか・・・)。 見所④:超短時間。バッテリー交換作業にかかる時間はわずか3分。電気自動車の雄テスラでさえ専用のチャージャーを使っても満充電までは30分以上かかります。 見所⑤:乗降不要。AC/DC充電と異なりこのサービスを使えば車両から降りる必要がありません。駐車〜バッテリー交換まで全て車内で過ごせます。天候を気にせず過ごせるメリットは絶大です。

まとめ:バッテリー交換サービスは他に類をみないサービス

今回はNIOの自動バッテリー交換サービスについてご紹介しました。現在では都市部を中心に中国全土に1,300箇所以上設置されています。当然地域差はあるとは思われますが、ガソリン車と比べ大きな課題の一つである給電時間の長さを「バッテリー交換」というアイデアで見事に解決しています。誰しも頭の中では想像できるアイデアかもしれませんが、それを具現化し、ユーザーに対して実際にサービス展開する実践力に驚かされました。 詳しくはNIOのHPをご覧ください。https://www.nio.com/nio-power ↓記事掲載時点での充電ステーションマップ。沿岸部には自社充電インフラ網がかなり整備されていることが分かります。

[caption id="attachment_856" align="alignnone" width="1024"] NIO[/caption]

「とある派遣生の中国探訪記」ハケタンのイメージイラスト スマホをもつ人
それではまた!再见!

本日のハケタンつぶやき

このバッテリー交換サービスは、交換する設備や車両などハード側ももちろん凄いのですが、スムーズで安定的なバッテー交換サービスを実現するためのユーザーフレンドリーなサービス・システムにも多くの見所があります。次回はそちらにフォーカスしてお届けしたいと思います。