【中国の食事情】未来の到来?深圳で无人机外卖を体験しよう!
今回は中国で体験可能な美团无人机外卖についてご紹介いたします。美团は2017年からこのサービスを検討しており、2021年から実証実験を開始しています。早速詳細をみてみましょう!
“无人机”とは?
人がいない(无人)マシーン(机)と書かくこの言葉は「ドローン」を意味します。中国ではドローン事業は大変盛んです。例えば、政府イベントでドローンを利用したショーが催されたり、異業種コラボ(ドローン会社×自動車メーカーの運転補助技術協業)が進んでいたりと、技術面や産業の面で目覚ましい進歩を遂げています。
ドローン×外卖の異業種コラボ!
さて、今回はドローンと外卖(ワイマイ)の異業種コラボの様子についてご紹介いたします。このドローン配送は広東省深圳市や上海市をはじめ15路線で展開しています。「外卖」とは外食のデリバリーサービスを指します。日本のUber Eatsと同じです。イメージが掴めない方は第N回目の投稿で詳しくご紹介していますのでぜひご覧ください。
実際に現場へ行ってみた!
ここは中国南部の沿岸沿い都市・深圳(シンセン)のとある商業ビルの屋上へと続くエスカレーター。何やら美团外卖の配達員が配達に向かっています。
屋上に出てみると・・・何やらコーンに囲まれたエリアがあります。近づいてみると・・・ありました。美团による外卖ドローン配達エリアです。
↓配達員はこの屋上まで商品を持ってきて、このテント下で受付作業を自分で行います。右下にある配達用のボックスを組み立て、専用レジでQRを読み込み、配送の準備を行います。そのあと、ドローン操作員が荷物をセットし、いざ、配達飛行開始・・・!
↓ちなみに、この商業施設のエレベーターにはたくさんの外卖配送員がおりました。まだまだバイク配送が優勢です。
注文と受け取り方法
このドローン配送、本来は自宅のベランダなど任意のところまで届けて欲しいところですが・・・現時点では専用ステーションでしか受け取りができません。配送先は現時点では深圳地域では10数箇所程度でしょうか。配送先を地図で探すと、「无人机空投抬柜」の表記が確認できます。
↓ドローン配送の場合、重さとサイズの制限があるため注文できる商品も限られています。今回はスタバで飲み物を注文してみます。
↓受け取り場所はこんな感じ。わざわざ大通りを挟み向かいの商業施設から商品をバイクで届けるよりは、上空から届けた方が早いような気がする場所(?)に設置されています。ポツンと立ってます。
↓商品発送が始まると・・・本家と同様、配送中の状況が表示されます。ドローン配送アイコン、新鮮です。
↓到着時の様子。配達ステーションの上面がパカっと空いて、商品が収納されていきます。
↓商品配送が完了すると6桁のパスワードが現れます。これを受取ボックスに打ち込むと受取可能に。この専用ステーションでは12時間まで保管可能。それ以上は衛生面の関係で廃却されてしまいます。
↓出てきた商品がこちら!飲み物もこぼれておらずばっちりです。輸送に使う箱は自分で畳んで所定の場所に返却します。
まとめ
今回ご紹介したこのサービスはこの7月に第4世代版へと移行し、3km圏内15分配送、最大積載2.5kg、最大飛行距離10kmのスペックを誇るサービスとなりました。大通りをまたぐ場所やバイクを降りて徒歩で届ける必要がある場所など、従来の配達員による輸送では手間がかかる部分を補完するサービスを目指すようです。ドローンによる配達は最大でも総配達全体の1割程度を見込むようで、人が機械に取って代わられる、ということはないとのこと。今後のこのサービスがどのような進展を迎えるか、楽しみですね。
本日のハケタンつぶやき
中国沿岸部の発展した地域の呼称として「北上広深」という表現があります。従来、北から順に北京・上海・広州の3都市を指していましたが、深圳の発展とともに、新たに「深」が追加され、この言葉が定着したそう。深圳には中国最大の民族系自動車メーカーBYDの本社もあり、また、経済特区として指定されているため、今後、外資系も含め、益々活気づく地域だと思われます。数年もしたら、上空ではドローン渋滞ができていたりして・・・